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2009年1月 1日 (木)

ティンバーフレームその15 見える骨組み③

このレンガ造とティンバーフレームの混構造の建物はKeene市内の中央部にある「コロニー・ミル(Colony Mill)」と呼ばれるショッピングセンター。一八三八年にウールの布をつくる工場として建設され、南北戦争や二度の世界大戦に従軍する兵士の軍服を製造するために操業を続けた後、一九五三年に一旦閉鎖。三十年後の一九八三年に現在の姿に再生されたそうです。
   この室内のあちこちに古い木造の柱が見られる構造の詳細な経緯は分かりませんが、レンガ造に鉄骨造の接合部と木造を巧みに取り合わせたデザインは、現代のティンバーフレームがもつ構造の美しさに共通する設計者の心を感じました。

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実を言うと、一九九一年一月は第一次中東湾岸戦争が始まった時ですが、ティンバーフレームに初めて出会った私にとっては幸運な年でした。 一月十五日、宿泊先のワシントンのホテルで戦争のニュースを聞いた私は自宅へ電話をして日本のマスメディアの報道も確かめ、急遽、旅程を変更しました。その結果、帰りの飛行機までの一週間をニューハンプシャーで過ごすことになったのでティンバーフレームをゆっくり見て回ることが出来たわけです。Bensonさんの会社を二日間つづけて見学した日本人は私ぐらいだったかもしれません。

当初の予定では、森林が豊かなオレゴン州のオークランドでティンバーフレームの現場を訪ねた後、首都ワシントン近郊の職住近接型のニュータウンを見学してからアトランタに行き、建材の展示会を見た後でニューハンプシャーに立ち寄り日本に戻る計画でしたが、ワシントンの宿泊先で、人の集まる都市ではテロが起きる可能性が高いという噂が流れたのでアトランタ行きを取止め、ワシントンから友人のスコットさんのいるカナダのトロント経由でニューハンプシャーに入りました。

オークランドでは、日本の材木商社から紹介された現地の製材所社員の案内で『ティンバーフレーム』をいくつか見て回りましたが、どれも木材は太いものの、《ツーバイフォーではない木造》ばかりで、「ティンバーフレーム」と言っても、当時の米国人の間では通用しない言葉であったようです。

一九九一年の一月の米国の旅行は、私の木造の仕事にとって大きな転機になった年でした。

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